わるいゆめ
「わるいゆめ」は鳥口くんと関くんの関係性にみえてしかたありません。ってきっとB'zのACTIONと言うアルバムを聴いたことのある人にしかわからないだろうな。
「黒い青春」の歌詞を旧制中学時代の関くんと仮定して聞いてみると非常に楽しかった。(このテーマが嫌になるくらい好きなんです。何度もおなじ設定を弄り捲くってすみません)
母は女だてらに教壇に立ち、関口の父親は誰だか判らない。母は今の父と結婚して既に異父弟もいるが、母はずっと昔から関口に興味がなくて、時々の折檻が唯一のコミュニケーション。(きっと彼女の価値観は甲乙丙丁で表されているから仕方ないのだ、僕は丁ばかりだから)と思い、叩かれるたびに無理矢理作る笑顔。
家の中では殆ど幽霊で、弟と仄暗い戯むれ(かきっこ)を行うだけ。弟からの半強制(やめて欲しいと言えば辞めてくれるだろうけど、気持ちいいので流されている)。
しかし、中学校の中でも関口に気が付く人がいて、関口は煩わしく感じて遠避けようとするけれど、それでも傍にいる。
人に別け隔てなく、母のように甲乙丙丁で見るのでもなく、立っている距離しか人の間には無いと思っている明朗な同期生。(地元の青年団とかを束ねて往く様な日焼けして健康そうな人)困惑するほどの剥き出しの好意が寄せられて、多分、此奴のことが好きなんだろうと思うのだけれど、結局思いを告げることもなく、関口は東京の高等学校へ。
きっとお母さんは朱里エイコの「白い小鳩」のように、学問ばかりだった生活から連れ出してくれるといってくれた流れ者に騙されたんだよ。で、今の夫と結婚したけど、何処かに行ってしまった男のことが忘れられずにいて、時々息子に手を上げてしまう。
ベタですが、こういうのがすきなんです。すみません。決してDVを推奨しているのでも容認しているのでもありません。
でも好きな人から齎される暴力に(怖い、嫌だ)と思いつつも恍惚としている関口と言うものに抗いがたい魅力を感じています。