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spooktale

え。全豪の結果書かなくちゃ駄目?
うんしょんもりしたアンディは可愛いですよ(盲目)。私アンディ×イヴァンもオッケーだ。(すみません)
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副産物ばかりに手が動いて大変です。大丈夫なのか…
と言う訳で。以下トリビル。

 此の谷で見る建築物のいずれも巌造りでありながら、植物の撓やかさと、蔓の流線型を構築していた。露台の廊下を往きつつ、トーリン・オーケンシールドは吐息を漏らした。
周囲に誰の存在もないことを確認した上での行為だった。
魔法使いに騙されるように導かれ、怨敵とも言うべきエルフの里に着き、剰え卓子を同じくして食事を共にした。地図を読み解いてもらうのも彼らの持て成しに預かるもの、軍門に下るような屈辱があった。
用意された館の一室に向かうに連れ、ドワーフの賑々しさが聞かれ、不快になることに疲弊していたのを自覚した。
早く此処から退いてしまいたい。況して読み解かれた地図の文言がトーリンを急き立てていた。
 部屋に入ると、何かがバーリンの背後の帳の影へと動いて行った。瀟洒なエルロンド卿の居館の室内は細部に至るまで濃やかな彫刻が連続し、また幾重にも羅の帳が垂れ込めていた。
 バーリンを求めて訪った部屋には黒髪のエルフがいた。トーリン一行を出迎えた見た目に若い、男性のエルフだった。灰色の魔法使いはリンディアと呼んでいた筈だ。バーリンはリンディアと対峙していた。その組み合わせにトーリンはが怪訝な目線をバーリンへ向けた。その目線を受けてバーリンはくつくつと笑った。ドワーフの知恵者である。
「どうした。何事かあったのか、」
怪訝さを隠さずに問えば、若いエルフは更に困惑したようだった。
「先ほど、皆、湯を貰いまして」
答えたのはバーリンだった。
慥かにそう聞き及んでいた。今の今までガンダルフとエルロンドによる些末事に苛まれトーリンは未だだった。
最もドワーフたちは湯に入ることに然程興味はなく、脇と股間と足をざっくりと洗うと早々に浴室を後にしたのだった。
バーリンはガンダルフの招いた小さな仁と永らく湯に浸かっていた、とトーリンに告げた。
「偶さかにああいった入り方も良いもの」
恐らく他のドワーフと一緒であったら湯を楽しむなどと言う考えは及びも尽かなかっただろう。
「で、どうしたのだ」
再びトーリンが問えば、バーリンは破顔した。
そして一声、「ビルボ、」と背後に向かって呼びかけた。
バーリンが羅の向こう側へ手を伸べる。そしてトーリンは自らが現れたと同時に姿を隠したのが他ならぬホビットだと言う事を知った。
何故隠れたのか、と僅かに頸を傾げ眉間を曇らせると、幾重にも垂れ込めた羅が揺れた。
バーリンの手が羅を掻いた。
怖ず怖ずと姿を顕現させたのは、慥かにビルボ・バギンズだった。

瞠目した。

ビルボ・バギンズと言うホビットも酷く困惑した表情で、ともすると泣き出しそうなまでだった。
けれどもそれを不思議ともトーリンは解さなかった。尤もなことだ、と。
トーリン・オーケンシールドの常に冷厳さを失わない面が僅かに固まり、眼は瞠かれ、薄く唇を開いた。―――息を飲んだのをバーリンは見逃さなかった。
 瞬ざのことだったが、トーリンは羅の向こうから躙り出てきたビルボに目線が固定された。
湯を楽しんだ、とバーリンは先刻言っていた。慥かに髪が濡れていた。顔が紅潮している。否―――全身だ、とトーリンはその全身を凝々と注視めた。
 ビルボ・バギンズはエルフの薄衣の中に躰を泳がせていた。
余りに薄いその衣は肌の色さえも貫けてしまうので、幾重にも重ねて纏うのが常だった。
けれど今は一重の中にビルボはいた。
肩を撫で落ちる衣。流動的で、糸の仕業さえ見えない。
湯に当たって体温が上昇し皮膚の血色が増しているのが鮮やかに浮かび上がっていた。衣は殆ど衣の役割を果たしていなかった。時折、滑らなかな衣の表面が光学的に照り返している。
朱に染まった咽喉を辿れば、目線は鎖骨に行き当たった。
その儘下せば、薄衣を押し上げる双つの点があった。
山桜桃梅のような胸乳が羞恥に起って押し上げていたのだ。
エルフの大きさである薄衣はホビットの足許でたっぷりと襞を蟠らせ、体躯に反して大振りな跫の柔毛を覆っている。見えるは足先の櫻貝のような色を取り戻した跫爪だけだった。
ビルボは手を握り直す。彼の手は懸命に薄衣を集めて腰部の前を隠していた。だけれど隠そうとすればする程に
腰周りと腿の肉感が鮮やかに浮かび上がっていた。
「…これは……」
漸うと言葉を発したトーリンも困惑の色を隠さなかった。次の句が告げなかったのだ。
ビルボにはドワーフに見られる髭もなく、体毛も無かった。何処を取っても肉質は豊かで円やかで、これで下生えが無かったら本当に子供のようだろう。其処ばかりは手繰り寄せられた衣と彼の手で守られて窺うことも適わなかったが。
「私はバギンズ殿から臙脂色の上着とその他着衣の清浄を頼まれたのです」
リンディアが弁明をするように口を開いた。
ビルボは東の街道にいたトロルに馬をあわや寸前食べられてしまうのを防ごうとした折り、一体のトロルに思い切り洟をかまれてしまったのだ。
「湯浴みの時に代わりの衣料を約束したのですが、その、」
エルフは白髪のドワーフに目線をやった。バーリンはにこやかさを崩さなかった。
 ドワーフたちの賑やかな声が一層高らかに響いた。
不意に我に返ったトーリンは毛皮に襟を縁取った深い夜色の外套を少し離れた椅子から取り上げ、ホビットの頭へ掛け渡した。
「洗濯が終わるまでのことだ。それでは皆の前に出られまい。」
トーリンは親指で戸外をのドワーフたちを差した。外套から頭を潜らせたビルボは何度も頷いた。ビルボの寝台は別の部屋へ割り当てられていたのだ。
「……すみません…あ、ありがとう」
擦れた声で俯きつつビルボは謝礼を口にした。そして外套の前を掻き合わせると、部屋を出て行った。

 「―――して、どういうことだ」
低い声が残された二人の当該者へ降り注いだ。トーリンは腕を組んで二人を見やる。リンディアは困惑した儘、バーリンは常ながらに莞爾としていた。
「良かれ、としたことだったのです」
口を開いたのは若きエルフだった。

―――いずれ、あの小さき御仁はあなたの妻女になる、と。

そう言ってリンディアは口を噤んで、傍らのバーリンを見やった。
「な…んだと、」
トーリンの眉間の皺が深さを増した。
何を言われているのか、それを理解するのに常になく、トーリンは時間を要した。
そうして漸く飲み込めた時、バーリンが僅かに何処か好々爺めいて笑った。
「そう、妻女とは言ってはいない。が、いずれトーリン・オーケンシールドはあのホビットを娶られよう、とは言いましたな、」
「バーリンっ」
到頭トーリンの声が荒げられると、バーリンは人差し指を自らの唇にあてがった。お静かにと仕草で示して、バーリンは幾度も頷いた。
「ですから私は、」祝うべき二人の為のもてなしをしたのだと、リンディアは弁明した。あれ程ビルボが取り乱すとは思わなかったのだ。
「もてなしだと、」
トーリンの範唱に、リンディアが頷く。
若くまた後に縁付く両人に相応しい持て成しをした筈だったのだ。トーリンの苛立ちを感じ取ってか、リンディアは少し距離を取った。
「そろそろ乾いたかもしれません。若しくは別の衣料をお持ちしましょう」
それだけを早口で言い募るとリンディアは足早に室を去って行った。
再び、ドワーフたちの賑々しさが膨らむように聞こえたが、トーリンはそれに構うこともなく、片手で頭を抱え込んだ。
そして大きな溜息を吐き出した。
酷く、酷く疲れたような気がした。
「なにを……考えているんだ」
仮にもドワーフの知恵者が。
「私が考えるのは先のことだよ、」
「そうだ。離れ山を取り戻すことだ」
トーリンは頷いた。
「如何にも。けれども貴方の考えの及ばないことも思慮するのも私の役目でもあるんだ」
「ホビットをか、」
「貴方が憎からず思っていることもまた確かでしょう」
危険な旅に無理に連れて出ることを厭う程には。そして引き千切られるのを、剣を棄てて贖う程には。どれだけの人間が気付いているのか。トーリンが己も知らず、かの仁を眼で追っていることの多いのに。皆に眼を配っているだけだ、とはトーリンの言い分だった。

けれど―――否定は無かった。

苦虫を潰したような顔で目を眇めてトーリンはバーリンを見やる。
バーリンは苦にした様子も無く、莞爾と笑んだ。
「まあ、この話は全てが終わってからにでも致ししましょう」
今はまだ早い。取らぬ狸のなんとやらと為りかねない。そうあっさりと嘯いた。
「エルフとの会食は疲れたでしょう、」
と湯揉みをバーリンは我が王子に勧めた。
部屋を出て行こうとするトーリンにバーリンは声を掛ける。
「そうそう、ビルボの未だ生えそろわぬのは、まこと子供のようで」
何を言っているのかすぐさま見当が尽いたことに、トーリンは卑しい心持ちになった。先に同じ事を考えたばかりである。
扉は心持ち大きな音を上けて、閉められた。

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日本語が崩壊している……
裂け谷に間隙でトリビルです。バーリンが企んでいる人で、リンディアがあほうですみません。うんゆすらうめのような乳首に持ち上がる薄衣ってのが書きたかったんだ。馬鹿でごめん。

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