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the dangerous method

見てきたファスベンダとヴィゴ。
何だか結構低評価なんだが私これ大好きだ。

ユングが想像以上に最低でした。そしてユングが権威となりおおしたのは戦後まで行きぬいたと言うそれに他ならないような気がしてしまうストーリー。だってフロイトは何処までも冷静で知的だったもの。オカルトを排除しようとするそれは極めて冷静だと思うんだ。
(私はオカルト大好きだけどどちらかと言うと博物的に好きなので)
そうした描写はクローネンバークの思考の反映と誘導だと解っているけど。「個人的にはフロイトの考えに共感を覚えるが」と言っているし。

ええとユング×フロイトですね。完璧に。そして父殺しと言う地を這うテーマがあった。ユングのフロイト否定はそういうことでしょう?
でその辺りをツイッタで書いていたんだが。

『敵は抹殺されるかもしれない。しかしそのことによって敵がおまえの中で永遠のものになってしまわないかどうかよく考えてみたか』  -------Nietzsche
反発しながらも強烈に求めている。と言うことが父と息子の間ではあるのではないか。それは母と言う女性を巡る憎悪ではないだろう。
父殺しとは、自分の憧憬である男性性(父)を永遠のものにすべく行われるものであったりして……(^_^;)。そしてその憧憬の対象を自分だけのものにして外に見せない。
現代以前には父と息子の結び付きは母の証言と言う極めて証拠不十分的な稀薄なものであるのだし

父殺しは多分数年前に此処でエイディプスコンプレックスについてで言及してたと思うけど、更にそんな思いを強くした。安易な母=女性を巡る対立って方程式に肯首できない。
あとアニマ概念はユングの自己弁護にしか感じられない。

フロイトはユダヤ人でユングを「アーリア人」と両断するし、ユングはフロイトの弟子は放浪者や余り裕でない素性のよくわからない者たちと評するんだけど、フロイトの弟子って基本的にユダヤ人なんだよね。
その辺りに20世紀初頭に欧州が孕んでいた色んな火種を見る心地がした。

ユングとフロイトって折口信夫と柳田國男みたいだよねー

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